Saskuta Neurosurgery
当院では、認知症は初期に診断し対処することが最も大切だと考え、
初期の治療に力を入れています。
そのため高精度な機器を導入し、これまでグレーゾーンだった
初期の段階も鮮明な画像をもとに診断できるようになりました。
初期症状の時点で適切な投薬治療と生活環境
(コミュニケーション、ストレス、食事、運動など)を変えることを開始すれば、
その進行を遅らせ、予後を改善できることがわかってきています。
初期症状に気づくことができるのはいっしょに過ごすご家族です。
はやめの対応を心がけることが大切です。
他にも「身だしなみに気を遣わなくなった」
「今までできていたことができなくなった」「片付けられなくなった」
「だらしなくなった」などの症状から気付かれる方もいらっしゃいます。
このような症状に気付いたら、早めに受診してください。
病気によって症状や進行、治療法が異なります。
アルツハイマー型認知症以外の病気では「もの忘れ」が
目立たないこともあります。
全体の5%ほどですが、治り得る認知症があります。
脳神経外科疾患(慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症、
良性の脳腫瘍による認知症)、
内科疾患(甲状腺機能低下症やビタミンB1欠乏、ビタミンB12欠乏)
などです。
アルツハイマー型認知症
(認知症全体の約60%)
レビー小体型認知症(同 約20%)
前頭側頭型認知症(同 約5%)
脳血管性認知症(同 約15%)
その他
認知症の診断は神経心理検査と「病気の経過を知ること」が大切です。
特にご家族からの「いつ頃からどのような症状が現れ、どう変化したか」が診断の決め手となることがあります。
当院では「もの忘れチェックシート」を患者さん本人の他、できればご家族にもチェックしていただき、その後に神経心理検査を行います。
画像診断は脳外科疾患の除外と脳の変化(萎縮など)の評価として必須です。
当院のMRIはオープン型では従来できなかった早期アルツハイマー型認知症診断支援システム(VSRAD:ブイエスラド)が行え、脳萎縮の程度を数量化して判断できます。
10分程度の安静が困難な場合にはヘリカルCTでの脳の三次元評価(撮影時間は約30秒)で認知障害に関連する部位の評価を行っています。
MRI検査
以上の神経心理テストや画像診断でも診断が難しい場合があります。認知症で最も多いアルツハイマー型認知症の初期の患者さんの特徴は「一見普通に見え、患者さん自身にも病気の意識があまりない」ことです。
患者さんの問診や診察で一見異常がなく、神経心理テストで正常との境界、画像診断で「脳の萎縮が軽度~年齢相当」の場合、家族からの経過の情報が認知症診断の決め手となることがあります。
あなたの大切なご家族のために、なるべく患者さんに付き添いご来院なさるようお願いいたします。